給湯器Q&A
入浴剤を入れたお湯は追い焚きできない?理由と使える入浴剤を紹介

追い焚き機能付きのお風呂を使用する中で、「入浴剤は使っても大丈夫なのか?」と疑問に感じたことはありませんか。
実際には、使用できる入浴剤と避けた方がよいものがあり、誤った使い方をすると給湯器や配管に不具合が生じることもあります。
この記事では、入浴剤が追い焚き機能に与える影響や、使える入浴剤・使わない方がよい成分、万が一使用してしまった際の対処法まで、わかりやすくご紹介します。安全で快適なバスタイムを過ごすために、ぜひ参考にしてください。
目次
追い焚き機能付きのお風呂に入浴剤はNG?
追い焚き機能を使うお風呂で入浴剤を使う場合、どのような製品が適しているのか迷う方も多いでしょう。
実は、すべての入浴剤が追い焚きに不向きというわけではありません。
ここでは、追い焚きと入浴剤の関係について基本的な考え方を整理し、注意すべきポイントをご紹介します。
全ての入浴剤がNGではない
追い焚き機能付きのお風呂で入浴剤を使う場合、「全ての入浴剤がNG」というわけではありません。
現在市販されている入浴剤の中には、追い焚き機能に対応した製品も多く存在します。これらの製品では、成分が配管内に悪影響を及ぼしにくいように設計されています。
ただし、追い焚きできるかどうかは商品によって異なるため、注意が必要です。
また、一部のバスソルトや濁り系の入浴剤については、追い焚きによって配管内に成分が蓄積されるリスクがあります。
結果として給湯器や配管が詰まりやすくなり、故障につながる可能性もゼロではありません。安全に楽しむためには、入浴剤選びに慎重になることが大切です。
特に「入浴剤」と「追い焚き」という組み合わせを考慮する場合、商品情報をしっかり確認することをおすすめします。
成分をよく確認する
入浴剤を追い焚き機能付きのお風呂で使う場合、商品のパッケージに「追い焚き可能」と書かれていることだけで判断するのは避けた方が良いでしょう。
実際には、この表記があっても使用方法や特定の条件で影響が出る可能性があるため、成分を細かく確認することが重要です。
入浴剤の成分には、配管や給湯器に悪影響を及ぼすものもあります。
例えば、塩分や硫黄、炭酸カルシウムといった成分は、金属配管を腐食させたり詰まりを引き起こす原因となることがあります。
そのため、「追い焚き可能」との表示があっても油断せず、成分の確認を徹底しましょう。
不安な場合は、メーカーに直接問い合わせることも一つの方法です。適切な入浴剤を選ぶことで、追い焚き機能を活かしながら安全にお風呂を楽しむことができます。
なぜ入浴剤はよくない?追い焚きの仕組みとは

追い焚き機能がどのような仕組みでお湯を温め直しているのかをご存じでしょうか。
入浴剤の成分がこの仕組みにどのような影響を与えるのかを知ることで、使用の可否をより正しく判断できます。
ここでは、給湯器のタイプ別に追い焚きの仕組みをわかりやすく解説します。
ガス給湯器の追い焚きの仕組み
ガス給湯器を利用した追い焚き機能は、浴槽内のお湯を一度配管を通して外部に引き出し、そのお湯を燃焼によって再び温め直して浴槽内に戻す仕組みです。
この際、配管内を循環するお湯には入浴剤の成分も含まれるため、配管や給湯器内部で成分がこびりつくと故障につながる可能性があります。
特に塩分を含む入浴剤や濁りの強い成分は、配管にサビを発生させたり、熱交換器の表面に付着して性能を劣化させるおそれがあります。
また、ガス給湯器の内部は高温になるため、入浴剤の成分が化学反応を起こし、配管内で固化したり腐食を引き起こす危険性もあります。
そのため、ガス給湯器の追い焚き時には、入浴剤の選定に十分な注意が必要です。
エコキュートの追い焚きの仕組み
エコキュートはヒートポンプ技術を活用し、空気中の熱をエネルギーとして利用しお湯を作る省エネ性が高いシステムです。
追い焚きでは、一度浴槽から引き出したお湯を熱交換器を通し温め直し、また浴槽に戻す流れとなっています。
この仕組みでは、熱交換器に直接お湯が触れるため、入浴剤による影響が大きくなりがちです。
非乳化タイプのバスオイルや、炭酸カルシウムなどの成分は、熱交換器の表面に付着してしまうと効果的な熱交換を妨げる可能性があります。その結果、エコキュート全体の効率が低下し、重篤な場合は故障につながることもあります。
きゅうとうきくん
エコキュートには付着物が発生しにくい入浴剤を選ぶことが重要だよ!
追い焚きをしない方がよい入浴剤の種類
入浴剤の中には、追い焚き機能に悪影響を与える成分が含まれているものがあります。
こうした入浴剤を使うと、配管や給湯器の故障につながる恐れもあるため注意が必要です。ここでは、追い焚きと相性が良くない代表的な成分や製品の特徴を詳しくご紹介します。
塩・硫黄・塩化ナトリウムが入った入浴剤
塩や硫黄、塩化ナトリウムを含む入浴剤は、追い焚き機能があるお風呂では避けたほうがよい種類に該当します。
塩や硫黄といった成分には、金属を腐食させたりサビを引き起こす性質があります。追い焚き機能を利用すると、これらの成分が配管内や給湯器内部に付着し、長期間の使用で不具合や故障の原因になることがあります。
また、硫黄成分は給湯器の中のゴム部品やパッキンを劣化させることも知られています。
特に、バスソルト系の製品を使用する場合は、成分表をしっかり確認し、追い焚きが可能かどうか十分に注意する必要があります。
酸化チタン、炭酸カルシウムが入った入浴剤
酸化チタンや炭酸カルシウムを含む入浴剤は、追い焚き機能があるお風呂では控えたほうがよい種類といえます。
これらの成分には微細な研磨作用があるため、配管内部の表面を傷つける恐れがあります。
また、配管にこれらの物質が沈着すると、お湯の循環がスムーズに行えなくなり、故障の原因になります。これらの成分を含んだ入浴剤は、見た目がきれいなパウダー状や固形タイプの製品に多い傾向があります。
そのため購入時には、商品パッケージや説明文をしっかり確認し、追い焚き機能の使用に適しているかを確かめることがおすすめです。
油分を含んだ入浴剤
油分を含む入浴剤、特にアロマオイルやバスオイル系の製品は、追い焚き機能付きのお風呂では注意が必要です。
油分は空気や熱、水分に触れると酸化し、粘性や腐食性が高まるという特性があります。これにより、非乳化タイプといわれるような水に溶けないタイプのオイルの場合は、配管や給湯器内で分離・付着が発生し、詰まりの原因となることがあります。
一方で、水に溶けやすいよう乳化剤が加えられた水溶性オイルタイプの入浴剤であれば、油分が配管内に残りにくく、追い焚き後も排水としてスムーズに流れるため、比較的安心して使用できます。
製品選びの際は、乳化処理の有無を確認することが重要です。
食物を含んだ入浴剤
食物そのもの(例:果皮や果肉、花びらなど)の固形物が含まれている入浴剤も、追い焚きをしないほうがよい種類に含まれます。
特に果皮や花びらなどの固形物が配合されているタイプは注意が必要です。これらの固形物は配管内に残りやすく、カビや雑菌の繁殖を引き起こす原因になります。
一方、成分が「水溶性エキス」として加工され、溶け残りがないものや有効成分が抽出・精製・蒸留されているタイプであれば、問題なく使用できる場合が多いです。
製品選びの際には、果皮や花びらのような固形物が含まれていないことを確認し、追い焚きへの影響がないかチェックするのがおすすめです。
入浴剤を入れた状態で追い焚きしてしまった場合の対処法

万が一、追い焚きしてはいけない入浴剤を使用してしまった場合でも、早めに適切な対処を行えばトラブルを最小限に抑えることができます。
ここでは、配管の清掃方法や洗浄のポイント、必要に応じて専門業者に依頼する判断基準などを解説します。
配管やフィルターの清掃を行う
追い焚き機能を使用した状態で入浴剤が循環した場合、まずは配管やフィルターを清掃することが大切です。入浴剤の成分が配管内に付着すると、給湯器の内部が詰まる原因や故障につながる恐れがあります。
掃除を行う際は、給湯器の取扱説明書を参考にしながら適切な方法で対応しましょう。
また、フィルターに目に見える汚れが付着している場合は、流水で丁寧に洗い流してください。
定期的な掃除を行うことで、入浴剤を使用した際のトラブルを未然に防ぐことができるため、おすすめの対策です。
専用の洗浄剤で配管を洗浄する
追い焚き後の配管内に汚れや成分が残っている場合、専用の配管用洗浄剤を使用することがおすすめです。
このような洗浄剤は、入浴剤の成分や雑菌、カビなどを効果的に除去できることから、トラブルの予防や早期解決に役立ちます。
特に、バスソルトや油分を含む入浴剤の場合、配管内に付着した汚れが悪化しやすいので、早めの洗浄が重要です。
使用する洗浄剤は、給湯器や追い焚き機能に対応しているものを選び、使用方法を厳守することがポイントです。
専門業者に点検・清掃を依頼する
もしご自身で対処するのが難しい場合や、入浴剤による配管汚れの影響が懸念される場合は、専門業者に点検と清掃を依頼するのが良いでしょう。
プロの業者による点検では、配管や給湯器の内部に付着した汚れや成分を細かくチェックし、専用機器を用いて徹底的に清掃してくれます。
特に、お風呂の追い焚き機能に異常が見られたり、給湯器の動作音が普段と異なる場合は、業者に早めに相談することをおすすめします。
専門的な対処を行うことで、入浴剤の使用による不具合をしっかり解消し、今後の安心な利用に繋がります。
追い焚きが可能な入浴剤の種類
入浴剤の中には、追い焚き機能付きのお風呂でも安心して使えるよう設計された製品もあります。
お風呂の快適さと給湯器の安全性を両立するには、こうした入浴剤を選ぶことが大切です。ここでは、安心して使用できる入浴剤の特徴と選び方をご紹介します。
酸やアルカリが強すぎない入浴剤
お風呂で使用する入浴剤の中でも、酸やアルカリが強すぎないものは追い焚き機能に比較的適しています。
たとえば、弱酸性の入浴剤であれば肌質にやさしく、肌のpHと近い性質のため多くの人にとって適しているとされています。
また、弱酸性であればお湯に溶けた成分が追い焚き配管に対してもそれほど負担をかけにくいと考えられています。過度に酸性やアルカリ性が強い入浴剤は、金属部品への腐食作用や配管内の劣化を招く恐れがあるため注意が必要です。
製品を選ぶ際は、ラベルや説明書をよく確認し、「肌にやさしい」や「低刺激」といった特徴が記載されているものを選ぶとよいでしょう。
追い焚き機能対応の入浴剤
最近では、追い焚き機能対応と明記された入浴剤が増えています。これらの製品は、追い焚き機能の配管や給湯器への影響を最小限に抑えるよう開発されています。
しかし、表記だけで判断するのは十分ではありません。「追い焚き可能」と記載がある製品でも、使用する給湯器の種類や状態によっては問題が生じる場合があります。特に成分表示には注意が必要です。
例えば、塩や硫黄、非乳化タイプのオイル成分が含まれていないか確認することが重要です。
加えて、配管に残留物を残しにくいタイプの入浴剤が安心して使えます。
最終的には商品パッケージだけでなく、成分情報を詳しくチェックし、お風呂や給湯器に負担をかけない製品を選ぶようにしましょう。
まとめ
入浴剤の使用と追い焚きは、楽しみ方や快適さに影響を与えるため適切な使い方が重要です。
追い焚き機能はお風呂のお湯を再加熱できる便利な機能ですが、入浴剤の成分によっては配管や給湯器を傷めるリスクがあります。
塩や硫黄、酸化チタンなどの成分を含む入浴剤や、固形物入りのものは避けるべきですが、中性~弱酸性かつ追い焚き対応の入浴剤であれば比較的安心です。
使用前に必ず商品の成分を確認することが重要で、追い焚きをしない場合も清掃を徹底しましょう。
健康的でリラックスできるお風呂タイムを実現するため、入浴剤選びには十分に注意し、正しい方法で安全に使用してください。
やかんくん
入浴剤って追い焚きしちゃダメなものが多いポけど、なんでなんだポ?
きゅうとうきくん
成分が配管や熱交換器に付着して故障の原因になるからだよ。特に硫黄成分や濁り系は要注意だね。
やかんくん
じゃあ、使える入浴剤もあるポ?
きゅうとうきくん
『追い焚き対応』って表示のある透明タイプや、成分が残りにくいものなら比較的安心だよ。
やかんくん
でも、お手入れしないと配管にカスが溜まるポね…
きゅうとうきくん
そうそう。汚れや詰まりは給湯効率の低下にもつながるからね。入浴剤は上手に選んで、きちんとメンテナンスすれば安全に楽しめるよ!