お役立ち情報
給湯器が臭い!変な臭いがする原因と対処法を解説

近年の給湯器は、安全性や性能が昔に比べて大きく向上しており、不完全燃焼や故障が起きやすかった頃と比べると、安心して使えるようになっています。
とはいえ機械である以上、異常が発生し、そのサインとして「臭い」が現れることがあります。
ガスのようなにおい、焦げたにおい、生臭さ、酸っぱいにおい、ニンニクのようなにおいなど、臭いの種類によって原因もリスクも大きく異なります。
中には一酸化炭素中毒や火災につながるケースもあるため、「様子見」で使い続けるのはとても危険です。
この記事では、給湯器が臭いときに考えられる主な原因と、すぐにやるべき対処法・絶対にやってはいけないこと、そして賃貸・持ち家別の連絡先の目安までわかりやすく解説します。
少しでも異変を感じたときに、落ち着いて正しく対応できるよう、ぜひ参考にしてください。
目次
給湯器が臭い時の5種類のにおい

給湯器から変なにおいがする原因は、においの種類によって異なります。
ここでは、代表的な5種類のにおいとその原因について詳しく解説します。
ガスのにおい
給湯器からガスのようなにおいがする場合、最も考えられる原因は「ガス漏れ」です。
都市ガスやプロパンガスには、漏れを感知しやすくするため臭いがつけられています。
また、不完全燃焼が原因でガス臭を感じることもあります。
不完全燃焼とは、必要な酸素が十分に供給されず燃焼が不完全な状態を指します。
これにより、一酸化炭素が発生する危険性があります。
その他、プロパンガスの残量不足が原因でガス濃度の変化による臭いを感じるケースもあります。
いずれの場合も危険が伴いますので、早急に使用を中止し、賃貸の場合は大家さんやガス会社に連絡してください。
焦げたにおい
焦げたようなにおいがする場合、給湯器内部の部品が過剰に加熱されている可能性があります。
主な原因としては、給湯器の老朽化や内部の電気系統のトラブルが挙げられます。
また、ホコリや油分が給湯器内に溜まり、そのまま燃焼してしまった場合にも焦げ臭いにおいを発生させることがあります。
このにおいを放置すると、最悪の場合火災につながる可能性があるため非常に危険です。
焦げたにおいを感じた場合は、すぐに給湯器の使用を中止し、賃貸の場合は大家さんへ連絡、持ち家の場合は専門業者に点検を依頼することをおすすめします。
生臭いにおい
生臭いにおいがする場合、給湯器内に湿気が溜まりカビや雑菌が発生している可能性があります。
特に、長期間使用されていない給湯器では内部配管にたまった水が悪臭を放つ原因となります。
また、燃焼に必要な空気を取り込む際に外部から異臭が混入するケースも考えられます。
これらの悪臭は給湯器本体の劣化やメンテナンス不備が原因となる場合が多いため、定期的な点検が重要です。
においが気になる場合は、賃貸の場合は大家さんへ相談する、または専門業者に清掃や点検を依頼することで改善が期待できます。
酸っぱいにおい
酸っぱいにおいがする場合、これは燃焼過程で発生した排気ガスが逆流している可能性があります。
通常、排気は給湯器の排気口から外へ放出されますが、排気経路が詰まったり、吸排気バランスが崩れると内部や周辺ににおいが漏れ出すことがあります。
また、給湯器の内部配管で発生した水漏れが原因で湿気や腐食が進行し、特有の酸っぱいにおいを生じるケースもあります。
この場合も安全上重大なリスクがあるため、早急に賃貸の場合は大家さんへ連絡するか専門業者へ相談する必要があります。
ニンニクのようなにおい
ニンニク臭のような異臭がする場合、ガス内部の添加物が漏れている可能性を疑う必要があります。
一部のガス(特にプロパンガス)には、漏れを検知しやすくするための添加物が含まれており、これが漏れることで独特の嫌なにおいが発生します。
また、給湯器周辺に食品カスや油汚れが溜まっており、それが燃焼時に加熱されることでニンニク臭のように感じる場合もあります。
どちらの場合も、ガス機器の不具合が原因である可能性が高く、即座に使用を中止し、賃貸の場合は大家さんやガス会社に点検を依頼してください。
給湯器が臭い時の対処方法

給湯器から臭いがする場合、速やかに適切な対処をすることが重要です。
ここでは、臭いが発生した際の対処法について詳しく解説します。安全な方法を知ることで、大きなトラブルを未然に防ぐことができます。
給湯器の使用をすぐに中止する
給湯器から臭いがした場合、最初に行うべきことは使用を即座に中止することです。
臭いの原因にはガス漏れや不完全燃焼などの可能性が考えられます。
これらは重大な事故につながる危険性があるため、深刻に対応する必要があります。
まず、お湯を出している場合は使用を停止し、給湯器のスイッチをオフにしてください。
また、機器に近づく際は、火気や電化製品の使用を避けるように気をつけましょう。
臭いを放置すると、一酸化炭素中毒や火災のリスクが高まります。
原因が明確になるまでは、決して再度使用しないよう注意してください。
ガス臭い場合はガス栓を閉める
特に室内設置の給湯器からガスのにおいがした場合、早急に給湯器の元栓およびガスの元栓を閉める必要があります。
まずはガスが漏れている可能性を考慮し、家全体へのガス供給を遮断することが最も安全です。
その後、窓を2か所以上開けて、十分な換気を行ってください。
このとき、換気扇や扇風機などは使用しないようにしましょう。電化製品を使用すると火花が発生し、ガスが引火するリスクがあるためです。
都市ガスを使用している場合は高い位置、プロパンガスの場合は低い位置を重点的に換気してください。
ガス漏れが原因の場合、迅速な対応が事故防止の鍵となります。
専門業者に点検を依頼する
臭いの原因が不明な場合、または自力で対処が難しいと感じた場合は、専門業者に点検を依頼してください。
賃貸の場合は、まず大家さんや管理会社に連絡を入れて相談することが重要です。
その上で、管理者が指定するガス会社や修理業者に点検を依頼する形になります。
持ち家の場合は、利用中のガス会社や給湯器の製造元に連絡を取りましょう。
点検の依頼内容を具体的に伝えることが安全確保につながります。
また、給湯器の耐用年数が約10年を超えている場合、部品の劣化などが原因となっている可能性があるため、必要に応じて修理か交換を検討する必要があります。
給湯器の臭いを放置するリスク
給湯器から異臭がする場合に、それを放置すると深刻な問題が発生する可能性があります。
ここでは、一酸化炭素中毒や火災など、命や財産に関わるリスクを詳しく解説します。
一酸化炭素中毒のリスク
給湯器が不完全燃焼を起こすと、一酸化炭素が発生する可能性があります。
一酸化炭素は無色無臭であり、吸引すると頭痛や吐き気、最悪の場合には死に至るリスクがあります。
特に換気が不十分な場所で給湯器を使用している場合、一酸化炭素が建物内に充満しやすくなります。
賃貸でも持ち家でも同様に、特に屋内設置のガス器具に異臭を感じたらすぐに使用を中止し、
窓を開けて換気を行った上で専門業者に点検を依頼してください。
一時的な放置が命に関わる重大な問題につながることがあります。
火災のリスク
給湯器の故障や不完全燃焼が進行すると、設備内部で過熱や引火が発生することがあります。
例えば、ガス漏れが放置されている状態で火気を使うと、引火して火災が発生する可能性があります。
また、給湯器自体が劣化していたり、内部配線が損傷している場合には発火のリスクも高まります。
賃貸の場合でも持ち家の場合でも、火災のリスクを避けるために、においを感じた時点で迅速に対処する必要があります。
臭いを無視することは、火事や取り返しのつかない損失を招く一因となるので注意が必要です。
修理費用が増えるリスク
給湯器の臭いを放置しておくと、故障が深刻化し修理費用が高額になることがあります。
一時的な異臭であっても、長期間放置することで内部の部品やシステム全体が損傷を受ける場合があります。
その結果、給湯器の修理では済まず、交換が必要になることも少なくありません。
特に給湯器の耐用年数(約10年)を超えている場合は、劣化による故障リスクが増大します。
異常を見つけた際、早期に業者の点検を受けることで費用を最小限に抑えられる可能性が高まります。
近隣住民からの損害賠償リスク
給湯器の異臭や故障を放置していると、最悪の場合、近隣住民に損害を与えるリスクもあります。
例えば、不完全燃焼による一酸化炭素の漏出が近隣住民の健康被害を引き起こした場合や、
火災が発生して隣家にまで被害が及んだ際には、責任を問われることがあります。
賃貸物件では管理会社や大家さんの対応も求められる場合がありますが、最終的には入居者が責任を負わされるケースもあります。
臭いを軽視することで、多大な損害賠償請求や近隣住民とのトラブルを引き起こさないためにも、早期対応を徹底しましょう。
給湯器が臭い時にやってはいけないこと
給湯器の異臭が発生した場合、間違った対処を行うと事故の危険性が高まります。
ここでは、特にやってはいけない行動について詳しく解説します。以下では、安全を確保するために必要な注意点を具体的に説明します。
火気の使用
特に屋内設置の給湯器からガス臭いにおいがする場合、絶対に火気を使用してはいけません。
ガス漏れが原因である可能性が高く、マッチやライターはもちろん、コンロをつけることも非常に危険です。
漏れたガスに火が引火すると、大きな火災や爆発の原因になることがあります。
また、ガス以外の異臭の場合でも、不完全燃焼など予期しない危険が伴うこともあります。
給湯器で異臭を感じたら、速やかに火気の使用を中止し、速やかにガス栓を閉めて対応しましょう。
賃貸住宅にお住まいの場合は、まず大家さんや管理会社に連絡し、適切な指示を仰ぐことが重要です。
換気扇や扇風機の使用
異臭を察知した際、室内の換気を行うことは重要ですが、換気扇や扇風機などの電気機器を使用してはいけません。
これらの電化製品は、スイッチのオン・オフ時に小さな火花が発生する可能性があり、ガス漏れが原因の場合、引火するリスクを伴います。
ガス漏れが疑われる場合は、窓を開けて自然換気を行いましょう。
窓を複数箇所開けることで効果的に空気を循環させることができます。
ただし、使用しているガスの種類によって換気方法が異なる点に注意してください。
都市ガスは軽いため高い位置の換気口を、プロパンガスは重いため床付近に近い箇所を重点的に換気することがポイントです。
給湯器から臭いがする場合の連絡先

給湯器から臭いがする場合、適切な連絡先に速やかに連絡することが重要です。
ここでは、賃貸の方や持ち家(戸建て・マンション)の方に分けて、最適な相談先とその対応方法を解説します。
賃貸の場合の連絡先
賃貸物件で給湯器から臭いが発生した場合は、まずは管理会社または大家さんに連絡をしましょう。
給湯器は貸主の所有物であることが多く、修理や点検の手続きは管理者が行う必要があるためです。
連絡の際には、発生している臭いの状況(例えば、ガス臭い、焦げた臭い、酸っぱい臭いなど)を具体的に伝えることが重要です。
特に、ガス臭い場合は即座にガスの元栓を閉めて安全確保を優先してください。
また、ガス漏れが疑われる場合は、ガス会社にも連絡を入れ、指示を仰ぎましょう。
持ち家(戸建て)の場合の連絡先
持ち家(戸建て)の場合、給湯器の臭いが発生したら、まずは製造元や設置を行った業者に状況を伝え、点検を依頼するのが一般的です。
特に給湯器が保障期間内であれば、無料で修理を受けられる可能性がありますので、保証書を確認してください。
不完全燃焼やガス漏れが疑われる場合は、すぐに給湯器の元栓とガスの元栓を閉め、地域のガス会社や給湯器の交換業者に連絡して安全を確保しましょう。
さらに、吸排気周りの異常が確認された際には、専門業者による修理が必須となります。
持ち家(マンション)の場合の連絡先
マンションにお住いの方で給湯器から異臭がする場合、まずは管理組合や管理会社に連絡を入れることをおすすめします。
マンション内の給湯器は修繕計画や共有設備に関連していることも多いため、自己判断での修理は行わず、決められた手続きに従うことが安全です。
ガス臭い場合や異常な臭いが急に発生した場合は、ガス会社や給湯器の交換業者にも相談を行いましょう。
また、隣接する住戸に悪影響を及ぼす可能性がある場合は、早急な対応が求められます。
まとめ
給湯器から臭いがする場合、その原因にはガス漏れや不完全燃焼、経年劣化などさまざまな要因が考えられます。
ガス臭い、焦げた臭い、酸っぱい臭いなど異常なにおいが発生した際には、放置せず速やかに適切な対処を行うことが重要です。
まずは給湯器の使用を中止し、ガス栓を閉めた上でガス会社や給湯器の交換業者に連絡してください。
賃貸住宅の場合は大家さんや管理会社への相談も必須です。
臭いを放置すると、一酸化炭素中毒や火災といった命に関わるリスクを伴う可能性があります。
早期対応により安全を確保し、修理費用や他者への影響を最小限に抑えましょう。
定期的な点検やメンテナンスを行い、給湯器の安全な使用を心がけてください。
やかんくん
給湯器から変な臭いがするポ!これって放置しても大丈夫ポ?
きゅうとうきくん
最近の給湯器は安全性が高まっているからほぼ心配はいらないけど、臭いは異常のサインの可能性もあるんだよ。ガス漏れや不完全燃焼、部品の過熱などが考えられるから、様子見で使い続けるのは危険な場合があるんだ。
やかんくん
どんな臭いに注意すればいいポ?放置するリスクも教えてほしいポ!
きゅうとうきくん
ガス臭、焦げた臭い、生臭さ、酸っぱい臭い、ニンニク臭などだね。放置すると一酸化炭素中毒や火災、近隣トラブルを招く恐れがあるよ。
やかんくん
異変を感じたら、まず何をすればいいポ?
きゅうとうきくん
即座に使用を中止してガス栓を閉めよう。引火の恐れがあるから換気扇は使わず、窓を開けて自然換気をしてから専門業者に点検を依頼しよう!


