給湯器のメンテナンス方法とは？自分でやる方法や注意点を紹介 

給湯器は日々の生活に欠かせない設備ですが、いざという時に備えて、普段からお手入れや点検を行っておくことが大切です。給湯器の交換業者やメーカーに依頼するのが安心な場合もありますが、内容によってはご自宅でできる簡単なメンテナンスもあります。 

この記事では、給湯器をご自分でお手入れする際の方法や注意点、交換業者やメーカーに依頼するメリットなどをわかりやすくご紹介します。この記事を通して、ご家庭の給湯器をより長く快適に使うためのヒントを得ていただければ幸いです。 

自分でできる給湯器のメンテナンス方法 

簡単な掃除やフィルターの確認など、給湯器のメンテナンスはご家庭でも取り組めることがあります。ここでは、日常的に実施できるお手入れの方法についてご紹介します。 

外装のお手入れ 

給湯器の外装は汚れを放置すると劣化の原因になるため、定期的なお手入れが必要です。基本的には、水で湿らせた柔らかい布を使って丁寧に拭き取り、その後乾いた布で水気を拭き取ると良いでしょう。
油汚れなどが目立つ場合は、台所用の中性洗剤を少量使用するのも効果的です。
ただし、磨き粉や漂白剤など、研磨成分のある洗剤は外装を傷つける可能性があるため使用を控えましょう。また、外装の固定部分が緩んでいないか確認すると良いです。
適切なお手入れは給湯器の寿命を延ばすことに繋がるのでおすすめです。 

ストレーナーのお手入れ 

ストレーナーとは、給湯器の内部で水中のゴミや異物を取り除く役割を担っている部品です。
ストレーナーが詰まると配管の水流が悪くなり、給湯器の性能に影響を及ぼすことがあります。ストレーナーのお手入れをする際は給湯器の電源を切り、水抜き栓を外してから作業を行います。
ストレーナーに付着したゴミや汚れを歯ブラシや流水を使って丁寧に洗い、再び取り付けるだけで掃除が完了します。
ゴミのつまりは故障や水漏れの原因となる場合があるため、定期的なチェックを心がけましょう。 

浴槽の循環フィルターのお手入れ 

浴槽の循環フィルターはお湯を循環させる役割を担っている大事な部分です。
このフィルターが汚れると、追い焚きの効率が落ちたり、異臭が発生したりする可能性があります。
掃除を行う際は、まず浴槽のフィルターを取り外し、水で汚れを丁寧に洗い流してください。
汚れがひどい場合は中性洗剤を使用し、ブラシで軽くこすっても良いです。
取り付けの際にはフィルターをしっかりと固定するよう注意しましょう。
これをこまめに行うと、給湯器を快適に使用できる状態を保てます。 

給気口や排気口のお手入れ 

給湯器の給気口や排気口にゴミやホコリが溜まると、燃焼効率が低下するだけでなく故障の原因にもなります。
そのため、定期的な清掃が大切です。清掃を行う際には、まず機器の電源を切り、給気口や排気口の周囲に溜まったゴミを取り除きます。ホウキや掃除機を使用すると便利です。
また、排気口や給気口の周りに燃えやすい物を置かないよう配慮することも重要です。
特に、排気口の近くには洗濯物などを干さないよう注意が必要です。

適切なお手入れは安全性を確保するだけでなく、給湯器の突然の故障を防ぐ助けにもなります。 

追い焚き配管のお手入れ 

追い焚き配管は定期的にメンテナンスをすることで、快適に使い続けることが可能です。
まず、専用のクリーナーを使用して配管内部を掃除する方法が一般的です。
このクリーナーはドラッグストアやホームセンターで市販されています。使用時には給湯器の説明書を確認しながら、適切な量を浴槽内のお湯に入れ追い焚きを行います。
その後、排水し、浴槽と配管周りを水で洗い流してください。

雑草や虫が入り込んでいないかの確認 

給湯器が設置されている周囲の環境もチェックが欠かせません。
特に屋外に設置された場合、給気口や排気口に雑草や虫が入り込むことで故障や運転効率の低下が起きる場合があります。
雑草が多い場合は定期的に刈り取り、給湯器周りの清掃を行いましょう。
また、小さな虫が入り込まないよう、給気口や排気口部分には専用のフィルターやカバーを取り付けることが推奨されます。

こうした簡単な対策を施すことで、トラブルを防ぎ、安心して給湯器を使用できる状態を保つことができます。 

凍結対策

冬場の給湯器は配管内の水が凍結しやすく、これが原因で水漏れや破損が発生することもあります。
そのため、凍結対策が重要です。基本的には、給湯器に設置されている凍結防止機能が機能しているか確認しておきましょう。
また、夜間や長時間使用しない場合は、残水を排出して空にしておくのが効果的です。給湯器が設置されている場所に断熱シートや保温材を巻き、冷気を遮断する方法もあります。
特に寒冷地ではこうした対策をすることで、故障のリスクを大きく減らすことができます。 

逃し弁の点検 

電気温水器やエコキュートには、圧力が一定以上になると安全のためにお湯を逃がす「逃し弁」がついています。
この弁が正常に機能しないと内部の圧力が過剰になり、故障や事故に繋がるリスクがあります。点検を行う際は説明書の指示に従い、手動で弁を開閉して確認してください。
この際、お湯が一時的に流れる場合がありますので、注意が必要です。

異常を感じた際や手順がわからない場合は、早めに給湯器の交換業者やメーカーに点検を依頼するようにしましょう。 

漏電遮断器のテスト 

電気温水器やエコキュートの漏電遮断器は、異常を知らせる重要な装置です。定期的にテストボタンを押して正しく作動するか確認しましょう。
この操作により、遮断器が正常に反応して電源が切れるかを確かめます。
もし反応がない場合は故障の可能性があるため、給湯器の交換業者やメーカーによる修理や交換が必要です。また、テストの際は家庭内の給電状況も見直しておくとより安心です。
漏電対策は安全な給湯器の利用に不可欠であり、トラブルの予防に役立ちます。 

自分で給湯器のメンテナンスをする場合の注意点 

自分でメンテナンスを行う際には、給湯器の構造や安全性に十分注意が必要です。ここでは、安全に作業を進めるための基本的な注意点と、使用する道具や扱いにおけるポイントを解説します。 

給湯器の電源を必ず切る 

給湯器を触る前に、必ず電源をオフにしてください。作業中に誤って通電してしまうと、感電や機器の故障につながる危険があります。
また、リモコンや操作パネルの電源も確認し、完全にオフの状態にすることが重要です。
特に、水抜き栓を外す場合や配管に触れる作業では、電源が入ったままだと思わぬトラブルが発生する場合もあります。
常に「安全第一」を意識して、作業を開始する前に確認を怠らないようにしましょう。 

使用する道具や洗剤を選ぶ 

給湯器を掃除する際は、強力な洗剤や研磨剤の使用は避けましょう。
それらの道具は外装の塗装を傷つけたり、内部パーツを劣化させたりする可能性があります。本体の汚れが気になる場合は、中性洗剤を優しく使い、柔らかい布かスポンジで拭き取るようにしてください。
また、給気口や排気口を掃除する際は、ホコリやゴミを取り除くために、使い古した歯ブラシやエアダスターを併用すると便利です。
適切な道具の選択が、給湯器を長持ちさせるポイントになります。 

配管や部品の力加減に注意する 

給湯器の配管や部品を扱う場合、必要以上に力を入れないよう注意してください。
特に水抜き栓や給湯管は繊細に作られているため、無理に引っ張ったり、強く締めすぎたりすると破損の原因になります。
また、一度取り外した部品は確実に元の位置に戻し、しっかりと固定しておきましょう。
配管の緩みやずれは、水漏れや故障につながるリスクがあり、後から大きな修理費用が発生する可能性もあります。 

メンテナンス中に異常を発見した場合は作業を中止する 

給湯器のメンテナンス中に異常を発見した場合は、速やかに作業を中断し、給湯器の交換業者やメーカーに連絡することが大切です。
たとえば、配管のひび割れ、異常な音、焦げたような匂いなどがあった場合、自己判断で修理を試みるのは避けましょう。
無理に作業を続けると、さらなる故障や安全面の問題が発生する可能性があります。
プロの点検を受けることで、適切な対応が可能になるだけでなく、後々のトラブルを未然に防ぐことができます。 

寒冷地では凍結対策を行う 

寒冷地では、給湯器や配管が凍結しやすいため、特に冬場のメンテナンスにも注意が必要です。
給湯器が凍結してしまうと、水が出なくなるだけでなく、本体や配管が破損する可能性があります。事前に保温材やヒーターを設置して凍結を予防しましょう。
また、凍結してしまった場合、熱湯をかけて解凍しようとするのは危険です。
自然解凍を基本とし、焦らず対応することが大切です。定期的な点検と適切な対策が、安全な使用につながります。 

業者に給湯器のメンテナンスを依頼するメリット 

プロに依頼することで得られるメリットは、安全面の確保だけにとどまりません。ここでは、給湯器の交換業者やメーカーによる点検や清掃の具体的なメリットについてご紹介します。 

専門的な知識や技術による安心感 

給湯器の交換業者やメーカーに給湯器のメンテナンスを依頼する最大のメリットは、専門的な知識や技術に基づいた適切な点検・清掃を受けられる点です。
給湯器は複雑な構造を持ち、原因不明の水漏れや配管の劣化、内部部品の摩耗などが発生する可能性があります。
交換業者やメーカーであれば、これらの問題を迅速に診断し、適切な修理や部品交換を行えます。また、経験豊富な交換業者やメーカーは不具合の兆候を早期に発見し、重大な故障を未然に防ぐことができます。

自分で対応しきれないケースも多い中で、プロのサポートは大きな安心感につながります。 

定期的な点検で給湯器の寿命を延ばす 

給湯器を長く使うためには、定期的な点検が欠かせません。
使用するにつれて、内部の配管や部品が汚れやサビで劣化することがあります。
給湯器の交換業者やメーカーに依頼すれば、これらの問題に対し的確に対応できるため、給湯器全体の性能を維持しやすくなります。
また、必要に応じて交換が必要な部品を見極めて対処するため、メンテナンス不足が原因の故障リスクを軽減できます。

トータルでの費用面でもメリットがある

一見すると給湯器の交換業者やメーカーに給湯器のメンテナンスを依頼する費用は高く感じるかもしれません。
しかし、故障や不具合を防ぐことで修理や交換にかかる高額な費用を抑えられる可能性があります。特に、日常的な掃除だけでは気づきにくい問題に対応できる点は大きなメリットです。
また、給湯器が故障してしまえば、お湯の使用ができなくなり生活面での負担も増えます。
交換業者やメーカーの点検・修理を計画的に行うことで、コストを抑えながら快適な生活環境を維持できるのです。 

給湯器のメンテナンスをしない場合のリスク 

メンテナンスを怠ることで発生するリスクは決して小さくありません。ここでは、故障の早期化や安全性の低下など、メンテナンス不足がもたらす具体的なリスクについて解説します。 

故障の早期化と高額な修理費用 

給湯器のメンテナンスを怠ると、故障が早期化しやすくなります。
本体や配管に溜まった汚れや異物が原因となり、部品が劣化する速度が上がるのです。その結果、修理が不可欠となり、必要な費用が想定以上に高額になることがあります。
特に、水漏れや配管の詰まりといったトラブルは突然起こることが多く、緊急の対応を求められる場合も珍しくありません。
このような急な修理は、生活に支障を与えるだけでなく、予算面にも大きな負担となるため、日頃からのメンテナンスが重要です。 

安全性の低下と事故のリスク 

給湯器のメンテナンス不足は、安全性にも悪影響を及ぼします。
たとえば、排気口に汚れやゴミが詰まると不完全燃焼のリスクが高まり、一酸化炭素中毒や火災など事故の可能性が生じます。
また、古くなった部品をそのまま使用し続けると、機器そのものの異常動作が原因で思わぬ事態を引き起こすことがあります。
特に冬場の使用頻度が高い時期には、トラブルが頻発する可能性が高いため、点検や掃除などの基本的なケアを行うことが大切です。 

給湯器の寿命短縮 

定期的なメンテナンスをせずに給湯器を使用し続けると、寿命が大幅に短くなる可能性があります。
給湯器の内部や配管にたまった汚れやスケール（カルシウムの付着）が原因で、部品が正常に動作しなくなることがよくあります。
部品交換が必要になるとさらなる費用負担が発生するほか、最終的には交換を余儀なくされる場合があります。

一般的な給湯器の寿命は約10年とされていますが、適切な点検や掃除を行うことで、この期間を延ばすことも可能です。 

給湯器を長持ちさせるメンテナンス以外の方法 

給湯器をより長く、安全に使い続けるためには、日常的な使用方法や環境にも気を配る必要があります。ここでは、適切な使用習慣や点検体制、設備選びの工夫についてご紹介します。 

適切な使用方法を心がける 

給湯器を長持ちさせるためには、日頃から適切な使用方法を心がけることが大切です。
例えば、水温設定を必要以上に高くしすぎないことや、頻繁にON/OFFを繰り返さないことが挙げられます。
過度な高温設定や頻繁な操作は、配管や内部の部品に負荷をかけ、故障を招く可能性があります。また、使用後に必ずスイッチを切るなど、無駄な稼働を防ぐことで給湯器の寿命を延ばすことができます。
これらの小さな心掛けを日常的に続けることで、修理や交換の頻度を減らすことができるでしょう。 

定期的な点検を依頼する 

給湯器は交換業者やメーカーによる定期的な点検も重要です。
内部の部品は目視では確認しづらいため、専門知識を持つ交換業者やメーカーに依頼することで隠れた故障や水漏れなどの問題を早期に発見することができます。
例えば、不具合の多い箇所として燃焼部分や排気口の点検が挙げられます。
点検の際は費用が発生しますが、長期的に考えれば大きな故障を防ぐための必要なコストです。約1〜2年に一度、専門家に診てもらうことで、安全かつ効率よく使用することが可能になります。 

環境に配慮する設備の設置 

環境に配慮した選択をすることで給湯器の負担を減らし、長持ちさせることができます。
例えば、エコキュートや高効率タイプの給湯器を導入することで、エネルギーの消費を抑えつつ、内部の部品への負荷軽減につなげることができます。
また、断熱性能の高い浴槽や給湯管を使用することで、熱のロスを減らし、給湯器の稼働を最小限に抑えることが可能です。
このような設備は初期費用がかかる場合もありますが、結果的には維持費用の削減や交換頻度の低減となり、長期的なメリットが得られるでしょう。 

まとめ

給湯器のメンテナンスは、安全に快適な暮らしを続けるために欠かせない作業です。
定期的に外装を掃除したり、給気口・排気口の状態を確認したりすることで、故障や事故を未然に防ぐことができます。
また、配管や水抜き栓周りの点検も給湯器の寿命を延ばす上で重要なポイントです。 

一方で、メンテナンス不足は配管の水漏れや故障の原因となり、修理や交換にかかる費用も増える可能性があります。
そのため、プロによる点検を定期的に実施することも検討してみましょう。
給湯器の交換業者やメーカーに依頼することで安全性や正確性が担保され、手間を省ける大きなメリットがあります。 

適切な点検や掃除を行うことで、給湯器を長持ちさせ、日常生活におけるトラブルを最小限に抑えることが可能です。
必要なメンテナンスを定期的に実施し、快適で安全な生活を維持しましょう。