給湯器Q&A
ウォーターハンマーとは?原因やリスク、対策方法まで徹底解説

蛇口を閉めたときに「ドン!」という異音が鳴った経験はありませんか?
それは「ウォーターハンマー」と呼ばれる水道管内の現象で、放っておくと配管の破損や給湯器の故障など、深刻なトラブルにつながることもあります。
この記事では、ウォーターハンマーの正体から原因、発生リスク、そして自宅でできる効果的な対策方法までを分かりやすく解説します。
水まわりのトラブルを未然に防ぎ、安心して暮らすためのヒントを見つけましょう!
目次
ウォーターハンマーとは
ウォーターハンマーとは、水道管や給湯器の配管内を流れる水が急激に流量や圧力を変化させた際に発生する現象です。
この現象では、配管内で瞬間的に圧力が異常な形で上昇または下降し、その結果として「ドン」や「コン」といった音や不快な振動が生じます。
特に蛇口を急に閉めたり、全自動洗濯機や食器洗い機などの機器が急停止する際に発生することが多いです。
この音や衝撃は、水の運動エネルギーが圧力エネルギーに変換される過程で起こります。
原因を放置すると水道管の破損や漏水、さらには給湯器の故障といった深刻な問題に発展する可能性があり、早急な対策や防止策が必要です。
ウォーターハンマーが発生する2つの原因

ウォーターハンマーはどのような条件下で発生するのでしょうか。ここでは主な原因や背景について、詳しくご紹介します。
圧力上昇によるウォーターハンマー
ウォーターハンマーは、急激な圧力上昇が原因で発生する現象です。
この現象は、水道管内を流れる水が急に止められることで生じます。
例えば、蛇口を勢いよく閉めた場合、水の動きは瞬時に停止しますが、その場で多量の運動エネルギーが圧力エネルギーへと変換されます。
この圧力変化が水道管に衝撃を与え、「ドン」「ガン」といった音や振動を引き起こします。
また、水道管が適切に固定されていなかったり、家庭の水圧が過剰である場合もウォーターハンマーが発生しやすくなります。
具体的には、標準的な家庭の水圧は0.2–0.4MPaですが、これを大きく超えると管内の圧力負荷が増大し、さらなる衝撃音や問題の原因となります。
このような圧力上昇によるウォーターハンマーは、事前に対策を講じることで防止することが可能です。
水柱分離によるウォーターハンマー
ウォーターハンマーは、圧力上昇だけではなく水柱分離と呼ばれる現象によっても発生します。
水柱分離とは、水道管内で流れる水が何らかの要因で分断され、その後に再び合流する際に生じる現象を指します。
この場合、水の流れが瞬時に変化することで圧力変化が急速に発生し、音や振動が生じます。
特に、給湯器をはじめとした設備が老朽化している場合、水柱分離によるウォーターハンマーが発生しやすくなる点に注意が必要です。
老朽化した給湯器は内部の配管や部品が劣化しているため、水の流れをスムーズに処理できず、結果として水の分断や圧力変動が生じることがあります。
このような状況により給湯器への負担が増し、故障や寿命短縮の原因にもなりかねません。
そのため、定期的なメンテナンスや設備交換などの対策が重要です。
ウォーターハンマーが引き起こす問題

ウォーターハンマーによる影響は音や振動といった不快な現象だけでなく、住宅設備への影響も無視できません。ここでは具体的にどのような問題が生じるのかを見ていきましょう。
音や振動による近隣問題
ウォーターハンマーによって生じる「ドン」「ガン」といった大きな音や振動は、特に集合住宅や住宅密集地では近隣トラブルの原因となることがあります。
この現象は水道管内における急激な圧力変化から発生し、高速で伝わる衝撃が配管内や建物の構造体に響くためです。音が夜間に多発すると、睡眠を妨害し騒音問題として深刻化するケースもあります。
また、配管が適切に固定されていないと振動が増幅され、音がさらに大きくなる場合があります。
このようなウォーターハンマーが原因の問題を防止するためには、根本原因となる圧力の変動を抑える対策が必要です。
例えば、日常的に蛇口の開閉をゆっくり行うことや、規定範囲内の水圧を保つための措置が効果的です。
衝撃による漏水問題
ウォーターハンマーは、水道管に衝撃が加わることで漏水を引き起こす可能性があります。
この現象が繰り返し発生すると、特に古い水道管では接続部や支持部に負担が集中し、亀裂や破損が生じることがあります。
漏水問題は、床材の浸食やカビの発生を招くなどの二次被害も大きな問題です。放置すると、水道代の増加や建物全体の劣化を招く可能性があるため早急な対処が求められます。
また、水道管内に蓄積した圧力が繰り返し伝わることで、耐久性が低下し漏水が発生しやすくなります。
きゅうとうきくん
ウォーターハンマーによる漏水を防ぐためには、圧力調整装置の設置や古い配管の交換といった対策が有効だよ!
給湯器の故障問題
ウォーターハンマーは給湯器の故障原因ともなります。
この現象により水道管に伝わる衝撃が、給湯器内部の配管や接続部にダメージを与えるためです。特に古くなった給湯器では内部部品が劣化しており、ウォーターハンマーによる圧力が引き金となって部品破損や動作不良が発生するリスクが高くなります。
給湯器が故障すると、お湯が使えなくなるだけでなく、修理や交換に多額の費用がかかる可能性があります。
さらに冬場に給湯器が故障すると、日常生活への影響が大きいため速やかな対応が重要です。
定期的な点検の実施や、ウォーターハンマーを防止する装置の導入により、給湯器への負担を軽減することが推奨されます。
ウォーターハンマーの対策方法
ウォーターハンマーによるトラブルを未然に防ぐためには、適切な対策が欠かせません。
ここではご家庭でも実践できる防止策をご紹介いたします。
水道管の減衰装置を設置する
ウォーターハンマー現象を防止するために、水道管へ減衰装置(ウォーターハンマーレスター)を設置する方法があります。
この装置は水流の圧力変化を緩やかにする役割を果たし、管内の急激な圧力上昇を抑える仕組みです。ウォーターハンマーレスターは、水道栓や給湯器の配管に取り付けるだけで効果を発揮します。
また、設置後すぐに音や振動といった問題が軽減されるため、早期に対策を講じたい場合に有効です。特に古い配管や水圧が高い地域の家庭ではこの方法が推奨されます。
減衰装置を利用することで、配管の負担を軽減し、長期的なトラブル防止に役立ちます。
配管の固定を強化する
ウォーターハンマーを防止するためには、配管の固定状況を確認し、しっかりと固定することも重要です。
水道管が緩んでいる場合、圧力の変動による振動が増幅され、大きな音やさらなる衝撃が発生しやすくなります。特に、古い住宅や設計上固定が甘くなりやすい箇所では注意が必要です。
不安定な配管には追加の固定具を用いて強化しましょう。
また、配管の取り回しを改善することで、不要な曲がり部分を減らし、水流のスムーズな流れを維持できます。こうした作業は専門家に依頼することで安全で確実な仕上がりが期待できます。
水圧を調整して適切な範囲に保つ
ウォーターハンマー問題は、水圧が適切でない場合に生じることがあります。
そのため、水道の水圧を適切な範囲(一般的には0.2–0.4MPa)に調整する対策が効果的です。
家庭内の水圧が高すぎる場合、専用の減圧弁を設置することで対応可能です。減圧弁は水道管内の圧力を安定させる装置で、急激な水圧変動を抑制する役割を果たします。
適切な水圧に保つことで、ウォーターハンマー現象だけでなく、水道設備の劣化や故障リスクも軽減され、水道システム全体の安全性が向上します。
給湯器の交換による対策
老朽化した給湯器は、ウォーターハンマーの原因となるケースがあります。そのため、給湯器を交換することも重要な対策の一つです。
古い給湯器では内部のバルブの劣化や配管の詰まりが進行しており、水流の急激な変化を引き起こしやすくなります。
最新の給湯器では、水圧を自動で調整する機能や、配管内の圧力を抑える設計が施されています。
そのため、音や衝撃による問題を大幅に軽減できます。また、交換時に配管や接続部も点検・修理されるため、総合的な安全性が向上します。
給湯器の寿命を考慮し、適切なタイミングで交換を検討しましょう。
水の使用方法を見直す
ウォーターハンマーは、水の流れを急激に変えることで発生します。したがって、水の使用方法を見直すことも簡単かつ効果的な対策です。
例えば、水道栓を閉める際には、急に閉じるのではなく、ゆっくりと操作する習慣をつけるだけで、圧力変動を抑えることができます。
また、自動で水を止める機能を持つ家電製品(全自動洗濯機や食器洗い機など)の使用も見直しましょう。これらの家電は、動作中に急激な流速変化が生じやすいです。
必要に応じて、減衰装置を併用するとさらなる効果が期待できます。日常の中で少しの配慮をするだけで、ウォーターハンマーが防止できます。
【お客様からのお問い合わせ事例】
お客様より、「台所のシングルレバー水栓を閉めたときに『ドン』という大きな音がして困っている」とのご相談をいただきました。
これはウォーターハンマー現象(水撃現象)と呼ばれるもので、水道管内の水の流れを急に止めたときに発生する衝撃音です。特に、レバー式の水栓を勢いよく閉めた際に起こりやすい現象です。
まずは、水栓をゆっくり閉めていただくことで音が改善するかをお試しいただきました。その結果、音がしなくなり、お客様にも納得していただけました。
ただし、「毎回ゆっくり閉めるのは不便」と感じる場合は、
- ご自宅の水圧を下げる
- ウォーターハンマー緩和部品(水撃防止器)を設置する
などの方法で根本的な改善が可能です。
詳しい対策や工事については、お近くの水道業者へご相談いただくことをおすすめしています。
【まとめ】
ウォーターハンマーは、水道管内で急激な圧力変化が生じることで発生する現象です。
この現象は、大きな音や振動、さらには水漏れや給湯器の故障といった深刻な問題に発展する可能性があります。
しかし、適切な対策を講じることで問題を防止することができます。
例えば、給湯器の交換や配管の固定強化、水圧の調整などが有効です。ウォーターハンマーの防止には早期対応が重要であり、専門家への相談が推奨されます。
なお、給湯器の交換を検討する際には、信頼性の高い業者を選ぶことが大切です。
「キンライサー」は、給湯器交換のプロフェッショナルとして多くのお客様に信頼されています。迅速かつ丁寧な対応で、ウォーターハンマーをはじめとする水回りの問題を解決します。
興味のある方は、ぜひキンライサーのサービスをご確認ください。
きゅうとうきくん
冬になると、給湯器の凍結って思ったよりよく起きるんだよ。特に配管や本体がむき出しになってると危険だね。
やかんくん
北側に設置されてたり、風が強い場所なんかも要注意ポ!断熱材を巻いたり、水をちょろちょろ出すのも効果的だったポ〜。
きゅうとうきくん
そうそう。もし凍っちゃったら、自然解凍が一番安全。無理して熱湯かけたり、ドライヤー当てたりは絶対ダメだよ。
やかんくん
ぼくも40℃以下のぬるま湯をタオル越しに当てるって覚えたポ!それでもダメなら、無理せずプロに任せるのが安心ポ!
きゅうとうきくん
日ごろから水抜きとか凍結防止機能をちゃんと使えば、トラブルを防げるよ。特に寒い日は意識してね。
やかんくん
備えておけば、冬でも安心してお風呂に入れるポ〜!